【資格取得の最短の方法!?】主婦が保育士を目指すためには
保育士は、主婦の方でも目指すことができます。ご存知とは思いますが、「保育士」として働くためには、国家資格である保育士資格が必須です。主婦の方は家事や育児で忙しい日々を過ごしているかもしれませんが、通信教育の活用や独学によって、資格取得への道を切り開くことが充分可能です。この記事では、主婦の方に保育士資格取得がおすすめな理由と、保育士の資格試験、そして即戦力保育士の最短ルート(かも?)について解説していきます。
主婦に保育士資格取得を推奨する理由
主婦にとって、保育士資格を取得することは大きなメリット…というよりアドバンテージ(有利な面)があります。保育士という職業では、多くの方がご経験されたであろう子育ての知識や経験を活かせるため、主婦の方と非常に相性が良い職種です。それでは、保育士資格の取得が主婦におすすめな理由をさらに詳しく見ていきましょう。
子育ての知識や経験が活かせる
主婦に保育士資格の取得をおすすめする一番の理由は、前述のように子育ての知識や経験を活かせる点です。保育士試験には、子育てに関連する知識を問われる部分が多くあります。例えば、「子どもの食と栄養」という筆記試験では、離乳の進行や妊産婦のための食生活指針についての問題が出題されることがあります。主婦として日々の子育てを通じて得た知識は、こうした試験科目で非常に役立ちます。また、保育士として働き始めた後も、自分の子育て経験をもとに保護者や子どもたちに対して、適切なアドバイスや対応ができるでしょう。
多様な施設や職種で役立つ国家資格
保育士資格は、幅広い施設や職種で活かせる国家資格です。保育所以外にも、託児施設や放課後等デイサービスなど、多様な施設で保育士の資格が求められています。また、最近ではベビーシッターや少人数制の保育を行う保育ママとして、個人事業主としての働き方も増えています。このように、保育士資格を取得することで、様々な職場での活躍が期待でき、家庭の事情に合わせた働き方が可能になります。さらに、保育士資格は幼稚園教諭とは異なり、試験に合格すれば取得できるため、忙しい主婦でも挑戦しやすいのが特徴です。
年齢を問わず、何歳からでも目指すことができる
保育士資格は年齢制限がないため、何歳からでも目指すことができます。子育てがひと段落した後、「何か新しいことを始めたいな」「どこかいい職場はないかな」と考えている主婦にとって、これは魅力的な選択肢。これまでの社会経験や子育てで培ったコミュニケーションスキルは、保育士としての仕事にも大いに役立ちます。実際に、多くの保育施設では30代や40代、あるいは50代の主婦が保育士として活躍しています。年齢に関係なく、自分の経験を活かして新しいキャリアを築くことができるのは、大きな魅力です。
「子どもと関わる仕事」だけなら保育士資格がなくても大丈夫
お気づきの方も多いと思いますが「保育士」として働くためには、国家資格が必要ですが、「子どもと関わる仕事」というだけなら、保育士資格がなくても働くことは可能です。
働きながら保育士試験のための受験資格(後述します)や知識を得ることができるので、実は即戦力保育士への最短ルートかも…?
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主婦が保育士の仕事を始めることのメリット
主婦が保育士の仕事を始めることで得られるメリットは多くありますが、ここでは、特に注目したい3つのメリットをご紹介します。
多様な働き方で家庭との両立がしやすい
保育士の仕事は、主婦にとって柔軟な働き方ができる点が魅力です。保育士は正社員の他にも、パートタイム、アルバイト、派遣、時短勤務など様々な雇用形態や勤務形態があります。これにより、家庭の状況に応じて無理なく働くことが可能です。例えば、子育て中の主婦は、短時間の勤務を選択することで家事や育児と両立しやすくなります。その後、子どもが成長して手が離れた時には、フルタイムの勤務に切り替えることもできます。このように、主婦が自分のライフステージ、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点が、保育士の大きなメリットです。
やりがいを実感できる
保育士として働くことは、子どもたちと直接かかわり、その成長を見守ることができるため、大きなやりがいを感じる仕事です。日々の保育活動を通じて、子どもたちの成長をサポートすることは、自身の子育て経験をさらに豊かにし、仕事の楽しさを実感できます。また、子育て中の主婦にとって保育士として得た知識やスキルは、自分の子育てにも活かすことができ、家庭生活にも良い影響を与えてくれるかもしれません。このように、保育士の仕事は、やりがいと自己成長を同時に得られる職業です。
転職のしやすさ
保育士の仕事は、常に高い需要があり、求人が豊富です。そのため、保育士資格を持っていれば、比較的簡単に転職先を見つけることができます。保育所以外にも、商業施設の託児所、企業内保育所、病院内保育所、病児保育室など、様々な場所での就職が可能です。近年、社会的にもニーズが高まっている障がい福祉施設も良いでしょう。このように、多岐にわたる選択肢があるため、主婦の方にも自分に合った職場を見つけやすいのが保育士という仕事です。保育士資格を持つことで、幅広いフィールドで活躍するチャンスが広がりますね。
主婦が保育士資格を取得するための方法
主婦が保育士資格を取得するには、いくつかの方法があります。国家資格であるため「すぐに資格取得!」というわけにはいきませんが、挫折することなく資格を取るためにも、ご自身に合う方法で取得を目指したいところ。ここでは、保育士資格を取得する代表的な方法をご紹介します。
保育士養成学校を卒業して資格取得
保育士資格を取得する代表的な方法の一つに、保育士養成学校に通い、卒業して保育士資格を得る方法があります。保育士養成学校には4年制大学や短期大学、専門学校などがあり、養成学校では、保育に関する理論的な学びだけでなく、保育所や施設での見学や実習を通じて、実践的なスキルを身につけることができます。社会人や主婦が通えるコースが設けられている学校も多く、例えば週3日だけの通学や、午後2時半までの授業といった柔軟なスケジュールが可能です。これにより、家事や育児との両立がしやすくなります。
注意すべきは期間と費用。養成学校での学びは、数年に及び、学費についても数百万単位で必要となります。詳細は各養成学校のホームページなどで確認するようにしましょう。
独学で保育士試験に合格する
もう一つの方法は、独学で保育士試験に合格することです。独学の場合、学費を抑えられるのが大きなメリットです。市販のテキストや通信講座、e-ラーニングを利用して学習することで、費用を数万円程度に抑えることができます。保育士試験は、8科目の筆記試験と2分野の実技試験から成り立っており、筆記試験に合格すると実技試験に進むことができます。筆記試験の科目は、一度合格すれば3年間有効なので、2年ほどかけて全ての科目に合格することも可能です。特に、まとまった時間が取りにくい主婦にとっては、自分のペースで学習できる独学は非常に有効な方法です。試験は年に2回行われるため、受験のチャンスも多く、計画的に学習を進めることが大切です。独学での資格取得は、養成学校に通うことと比較すると自身の努力次第の部分は大きくなりますが、かかる費用は少額で済むため、非常にやりがいのある方法です。
保育士試験の受験資格と難易度について
保育士試験は、さまざまな資格の中でも難易度の高い試験です。過去の保育士試験の実施状況を確認すると、合格率は20〜30%ほど。保育士試験の難易度が高い理由には、受験科目数の多さや独学での実技試験対策の難しさなどが挙げられます。
筆記試験は9科目と多く、合格したとしても有効期限が定められているため、計画的に勉強を進め、着実に合格科目を増やすことが求められます。
また、筆記試験で全ての科目に合格したとしても、次には実技試験があります。実技試験は、音楽・造形・言語の3分野から2つを選択して受験します。ピアノやギターを使った弾き歌いや、子どもがいると想定した素話(絵本や紙芝居を使わずに物語を語る)をする必要があるため、それなりに練習をしなければなりません。専門的な内容を独学でマスターすることには難しさを感じる方も多いでしょう。保育士試験で資格取得を目指す場合は、筆記試験と実技試験の対策をしっかりと行い、練習時間を確保することが重要です。
実技試験対策という面では、保育士資格がなくても子どもと関わることができる職場で知識と経験を積むといったやり方がとても有効ですね。
受験資格の詳細
保育士試験は、最終学歴によって受験資格が異なるため、まずご自身の受験資格の有無を確認することが大切です。4年制大学や短期大学を卒業している場合は、保育に関連のない学科の卒業でも無条件で受験できます(合格できるかは別ですが…)。専門学校卒や高卒、中卒、在学中や中退の場合は、実務経験や取得済みの単位数といった条件を満たしていなければなりません。
具体的な受験資格としては以下の条件があります
- 大学・短大・高等専門学校等を卒業していること
- 平成3年3月31日以前に高等学校を卒業していること
- 高校または中等教育学校等を卒業し、児童福祉施設にて2年以上かつ2880時間の実務経験を有すること
- 児童福祉施設にて5年以上かつ7200時間の実務経験を有すること
試験日程の確認
保育士試験は年に2回実施されます。前期の筆記試験が4月、後期の筆記試験が10月です。筆記試験は連続する2日間で行われ、合格者はその後に実施される実技試験を受けることができます。実技試験は、前期日程が6月、後期日程が12月に行われます。
- 前期試験:4月(筆記)、6月(実技)
- 後期試験:10月(筆記)、12月(実技)
出題範囲の概要
筆記試験は9科目にわたって160問が出題されます。9科目のなかには、保育の基本となる「保育原理」や「教育原理」「社会的養護」のほか、福祉に関連する「子ども家庭福祉」や「社会福祉」の分野も含まれます。また、「保育の心理学」「子どもの保健」「子どもの食と栄養」「保育実習理論」も試験範囲に含まれます。
実技試験は3分野(音楽表現、造形表現、言語表現)から2分野を選択して受験します。音楽表現ではピアノなど楽器の演奏、造形表現では課題に沿ったお絵かき、言語表現では読み聞かせが求められます。筆記試験に合格すると実技試験に進むことができ、筆記試験は通信教材や過去問を活用して独学で十分に対策が可能です。
保育士試験の受験に際しては、しっかりとした計画を立て、筆記と実技の両方に対策を行うことが重要です。
保育士資格取得前の主婦が働ける場所
このように、独学で筆記をクリアしたとしても、実技については練習や経験が必要となります。ですので、主婦が保育士資格を取得する前には、子どもと関われる場所で働き、知識と経験を得るのがよいのでは。ちなみに、養成学校や独学と大きく違う点は、知識や経験を得ながら、お給料も得られるというところ。
特に、障がい福祉施設での勤務は大変有意義であり、実務経験を積むための良い選択肢です。障がい福祉施設では、重症心身障がい児(者)への支援や介護を行い、彼らの生活をサポートする重要な役割を担います。このような施設での経験は、保育士としての将来にも大いに役立ちます。
具体的には、障がい福祉施設での勤務を通じて、子どもたちのケアや支援の方法を学ぶことができ、保育士試験に必要な知識やスキルを実践的に身につけることができます。さらに、実際の現場で働くことで、理論だけでは学べない貴重な経験を得ることができ、保育士としての自信と実力を高めることができます。
保育士資格がなくても子どもと関われる職場なら、オールケア・グループ
まとめ
保育士を目指す主婦にとって、資格取得の方法は多様であり、自分に合った方法を選ぶことが重要ということを見てきました。専門学校に通う方法や独学で試験に挑戦する方法など、それぞれにメリットがあります。また、障がい福祉施設での勤務を通じて実務経験を積みながら受験資格を満たす方法(おすすめです)もあります。このように、主婦が保育士資格取得前でも働ける場所は多く、実際の現場での経験は資格取得後のキャリアにも大きく寄与します。自分のライフスタイルや目標に合った方法を見つけ、計画的に進めていくことで、主婦から保育士資格取得という夢を実現させましょう。
参考
全国保育士養成協議会:令和6年筆記試験(前期)問題・正答
全国保育士養成協議会:保育士試験とは
全国保育士養成協議会:受験資格について
子ども家庭庁:保育士試験の実施状況(令和4年度)