保育士の仕事はストレスだらけ!?セルフチェックや解消法も解説

保育士のお仕事は、子どもたちの成長を見守りながら、多くのやりがいを感じる素晴らしい職業です。しかし、その一方で、ストレスが多い職場環境に悩まされる保育士も少なくありません。この記事を読んでいるあなたもその一人では?長く保育士として働き続けるためには、ストレスとの上手な付き合い方を学び、自分に合った対処法を見つけることが大切です。本記事では、保育士が直面する代表的なストレス要因と、セルフチェック、その対処法について詳しく解説します。あなたのストレスを軽減し、より充実した保育士生活を送るためのヒントを探してみてくださいね。

保育士は、子どもたちの笑顔や成長を見守るやりがいのある仕事ですが、同時に多くのストレスを抱えることが多い職業でもあります。実際、保育士として働く中で感じるストレスは多岐にわたります。ここでは、代表的な6つのストレス要因について詳しく解説していきます。

  1. 職場での人間関係。保育士は、同僚や上司、さらには保護者と密接に関わるため、良好な人間関係を維持することが非常に重要です。しかし、意見の違いやコミュニケーションの不足からトラブルが生じることも少なくありません。
  2. 長時間労働の常態化です。保育士は、通常の保育時間以外にも、準備や片付け、イベントの企画など多くの業務があり、労働時間が長くなりがち。これにより、心身共に疲弊してしまうことがあります。
  3. 非常に忙しい日々も大きなストレス要因です。子どもたちの安全を確保しつつ、日々の保育計画を実行する中で、時間に追われることが多く、プレッシャーを感じる場面が多くあります。
  4. 保護者の方からの(一部理不尽な)クレームもストレスの一因となってしまいます。当然ではあるものの、保護者は自分の子どもに対して非常に敏感であり、時には過剰とも思える要求や理不尽なクレームに遭遇することも。これに対処することは精神的な負担となります。
  5. 体力的な負担が大きいことも見逃せません。元気いっぱいの子どもたちと一緒に活動するためには、常に体力を使います。そのため、保育士の仕事は体力的にも厳しいと言えます。
  6. 園との保育方針との不一致がストレスになることも。各保育園にはそれぞれの教育方針や理念がありますが、これが自分の考えと合わない場合、ストレスを感じることになります。

これらのストレス要因について、それぞれ具体的に見ていきましょう。

職場での人間関係

保育士にとって、職場での人間関係は大きなストレス要因の一つです。東京都福祉保健局の調査によると、人間関係のストレスは保育士の間で最も多く挙げられています。保育園という外部の方が入りにくい環境で密に関係を築くため、意見の違いやコミュニケーションのトラブルがストレスの原因となりがちです。

保育園は女性が多い職場がまだまだ多く、男性が多い一般企業に比べると、派閥と呼ばれるようなグループ同士の関係や、先輩職員への気遣いなどが重要になることが多く見られます。これらの問題は、保育士のストレスを増幅させ、仕事への意欲を削ぐ原因となってしまう一面も。一方、近年増えている男性保育士も、女性中心の職場で孤立感を感じることがあるかもしれません。

長時間労働の常態化

保育士のストレス要因として、長時間労働が挙げられます。共働き家庭の増加や延長保育のニーズの高まりにより、保育士の勤務時間は自然と長くなりがちです。定時を過ぎても、子どもたちが園を離れないことが多く、業務時間が延びることが日常茶飯事と言ってもいいほど。

さらに、保育士の仕事は子どもの世話だけではなく、書類作成やイベントの準備など多岐にわたります。これらの作業は子どもたちが帰った後に行うことが多く、結果として残業や持ち帰り仕事が増える原因となります。このような長時間労働は、保育士の心身に大きな負担をかけ、ストレスを増大させてしまいます。

非常に忙しい日々

長時間労働だけでなく、保育士の日々の業務の多忙さも、ストレスの一因です。前述のように保育士は子どもたちのお世話だけでなく、連絡帳の記入や保護者への対応、行事の準備など多くの業務をこなさなければなりません。特に、行事前は準備に追われるため、非常に忙しい日々が続きます。

さらに、早朝保育や夜間保育、週末保育を行う園も増えており、シフト外の勤務が求められることもあります。このような多忙さが続くと、保育士は時間に追われ、ストレスを感じることが多くなります。

保護者からの理不尽なクレーム

保育士にとって、保護者からの理不尽なクレームは大きなストレス要因です。もちろん、クレームすべてが理不尽ということはなく、その多くは保育士としての自分を成長させてくれるものも多くあります。しかしながら、中には理不尽な要求をしてくる保護者も。例えば、「なぜうちの子が劇の主役じゃないの!」「蚊に刺されないようにしてくれ!」といった要求やクレームが寄せられることがあります。

このようなクレーム対応は、保育士にとって心理的な負担となり、時にはトラブルに発展することもあります。東京都福祉保健局の調査でも、保護者対応の大変さが保育士を辞めたい理由の一つとして挙げられています。保育士は立場上、保護者の要求に応じる必要があり、対処に頭を悩ませるストレス要因の一つとなっています。

体力的な負担が大きい

保育士の仕事は、体力的に大きな負担がかかります。子どもたちと一緒に遊び、抱っこやおんぶをすることも日常的に求められます。これにより、肩こりや腰痛、膝の痛みなどが慢性的に発生しやすくなります。保育士は一日中元気に動き回る子どもたちと接するため、体力の消耗が、一般的な会社員とは比較にならないことでしょう。

また、長時間の勤務や残業が続くと、疲労が蓄積し、体力的な限界を感じる保育士も少なくありません。休日にも十分に休息が取れず、ストレスが溜まることで、退職や転職を考える保育士もいます。

保育園の方針との不一致

保育士が直面するストレスの一つに、保育園の方針との不一致があります。家庭での教育方針が異なるように、保育園の理念や方針が自分の考えと合わない場合、仕事に対するモチベーションが下がることもしばしば。

園長がワンマンであったり、方針が頻繁に変わったりすることもストレスの原因です。また、理想としていた保育方法と実際の現場でのやり方にギャップがあると、納得するのに時間がかかり、ストレスを感じることがあります。

なお、保育士資格を持つ方の職場は保育園だけとは限りません。オールケア・グループでも保育士の方を募集しております。

一見、異業種のようにみえるオールケア・グループでの保育士業務。どんな仕事内容なのかな?と気になった方はこちらからご確認くださいませ。

保育士として日々の業務に追われていると、自分がどれだけストレスを感じているか気づきにくくなってしまいます。これを書いている執筆担当スタッフは前職時代、定期的に通ってる鍼灸院で「この身体の状態…もしかして耳鳴りしてませんか?」と言われて初めて耳鳴りに気づくぐらいに疲弊しておりました…。

というわけで、手遅れになる前に定期的にセルフチェックを行うことが重要です。セルフチェックを通じて、自分のストレス度を把握し、適切な対処法を見つけるきっかけにしてください。

まず、以下の質問に答えてみましょう。

  1. 最近、仕事に対する意欲が低下していませんか?
  2. 頭痛や肩こり、腰痛などの体調不良が頻繁に起こりますか?
  3. 仕事中や仕事後に強い疲労感を感じますか?
  4. 睡眠不足や眠りの質が悪いと感じることがありますか?
  5. イライラや不安をよく感じますか?
  6. 同僚や上司とのコミュニケーションにストレスを感じますか?
  7. 保護者対応で気を遣いすぎていると感じる場面はありますか?

これらの質問に「はい」が多いほど、ストレスが蓄積している可能性があります。すべて「いいえ」になる状況を目指すのは現実的には難しいところですが、セルフチェックの結果、自分が高いストレスを感じていると判断した場合は、後述の対策を検討してみてください。

セルフチェックを習慣化し、自分のストレス度を定期的に確認することで、保育士として充実した日々を維持することができます。自分の健康を第一に考え、無理をせず適切な対策をすることが重要ですね。

このように(残念ながら)保育士の仕事環境には、ストレスを引き起こす要因が多くあります。やりがいを感じていても、常に前向きに働けるとは限りません。ここでは、ストレスを感じたときの対処法を4つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

発散できる趣味を見つける

ストレスを感じた際の対処法の一つ目は「発散できる趣味を見つける」ことです。「そもそも仕事が忙しいんだから、趣味や好きなことに時間を割けないよ!」という方もいらっしゃると思いますが、多少無理やりにでも趣味の時間をつくってみてください。新しいことに挑戦したり、リラックスできる活動をしたりすることでストレスを発散すると、仕事の効率が上がり、仕事だけし続けるよりもかえって有意義な日々を送れることも。

ジョギングやフィットネス、カラオケ、映画鑑賞、ドライブ、仕事と関係ない友人と食事など、自分が楽しめるアクティビティを見つけて、日常のストレスを忘れる時間を作ることが重要です。

一人で抱え込まずに先輩や同僚に相談する

ストレスを感じたときの対処法の二つ目は「先輩や同僚に相談する」ことです。同じ職場で働く人たちに本音で話せる相手を見つけることが大切です。同じ環境で働く人なら、悩みを共感してもらいやすく、有益なアドバイスをもらえることもあります。

職場内に話しやすい人がいない場合は、職場外の友人や家族に相談するのも良いでしょう。話すことで気持ちが軽くなり、ストレスの解消につながります。

リフレッシュすることの重要性

ストレスを感じたときは、無理せず一度休むことも重要です。ストレスを抱えたまま無理に働き続けると、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。一度休んでリフレッシュすることで、体も心もリセットできます。耳鳴りが止まらなくなった筆者は、お風呂などで体を休めていても、頭では常に仕事のことを考え続けていたのが原因でした。

スーパー銭湯やサウナ、マッサージなどで体をリフレッシュするのも良い方法。心身のバランスを取り戻すために、積極的に休息を取りましょう。

職場環境を変える

上記の対策を試しても効果がない場合は、職場を変えることを考えてみましょう。環境を変えることで、新たな視野が広がり、今までにない選択肢が見つかるかもしれません。転職活動は自分と向き合う良い機会でもあります。

大阪府内、守口市を中心に重症心身障がい児(者)を受け入れる施設を運営する、オールケア・グループでは、保育士資格を持つ方々を積極採用しています!お気軽に、ご相談や職場見学などにいらしてくださいね!

また、フルタイムの勤務が難しい場合は、パートタイムに変更するなど働き方を見直すのも一つの方法です。勤務時間の調整で心身のストレスを軽減し、より働きやすい環境を見つけることが大切です。

これらの対処法を活用して、保育士としての仕事をより健やかに続けていきましょう。

保育士は、やりがいがある一方で、多くのストレスに直面する職業です。ストレス要因としては、職場での人間関係、長時間労働、保護者からの理不尽なクレーム、体力的な負担、そして保育園の方針との不一致が挙げられます。これらのストレスに対処するためには、発散できる趣味を見つけたり、一人で抱え込まずに先輩や同僚に相談すること、適度にリフレッシュすること、そして職場環境を見直すことが重要です。

ストレスとの上手な付き合い方を学ぶことで、保育士として長くイキイキと働き続けることができます。もし現在の職場環境が合わないと感じた場合は、転職を検討することも一つの手段です。保育士は、年齢を問わず活躍できる職場が多くあります。自分に合った職場を見つけ、ストレスを軽減しながら充実した職業生活を送りましょう。心身の健康を保ちながら、子どもたちに穏やかで元気な保育を提供できるよう、ぜひ参考にしてください。

参考

東京都福祉保健局:保育士アンケート調査

厚生労働省:保育士の現状と主な取組

厚生労働省:保育分野における人材調査

国税庁:令和2年分民間給与実態統計調査

厚生労働省:令和3年賃金構造基本統計調査