看護師の悩みって?みんなが大変だと思ってる5つの悩みをご紹介

看護師として働く中で、大変な状況に誰もが一度は「もう無理」と感じたことがあるかもしれません。特に、人間関係の悩みや超過勤務など、避けて通れない問題が多くあります。この記事では、看護師が抱える悩みの原因やその兆候、そして解決策について解説します。まずは大変と思われる自分の状況を見つめ直し、できることから始めてみましょう。自分の働き方や職場環境を見直すことで、より良いキャリアを築く手助けになれば幸いです。
ここが大変…看護師の悩みトップ5!人間関係や超過勤務などが上位に
看護師として働く中で「ここが大変なのが悩み…」と、感じることがある理由について見ていきましょう。まず、厚生労働省の「看護職員就業状況等調査結果」によると、退職理由のトップ5には、出産・育児、結婚、他施設への興味、人間関係の問題、超過勤務が含まれています。以下では、出産や結婚など、悩みではないと思われる部分を除いて、看護師がよく直面する悩みのトップ5を詳しく紹介します。
- 職場の人間関係の悪化
- 体力的に厳しい超過勤務
- 通勤の困難さ
- 休暇の取りづらさ
- 夜勤による負担
看護師の大変さの原因とは?悩みごとに詳しく解説
職場の人間関係の悩み
看護師という職種は、仕事自体も大変なものですが、特に人間関係の悩みがつきもの。近年は男性も増えたとは言え、まだまだ女性が多い職場で、人間関係には苦労する場面も多いことでしょう。
加えて、休みづらい環境や夜勤の負担が心身に影響を与え、精神的にも肉体的にも疲れ切ってしまう…。やがて、疲労が蓄積しミスが発生しやすくなることも。看護師の仕事は、患者さんの命に関わることもあるため、小さなミスでも厳しい指導が必要となってしまいます。
指導される側はもちろんですが、指導する側も多少なりともストレスを感じており、これが悪循環となって人間関係の悩みの一因になります。
体力的に厳しい超過勤務
看護師の業務は予測が難しい面も多いもの。急な患者さんの病状変化に対応する必要があるため、勤務時間が超過することも悩みの種。さらに、病院など医療業界は常に人手不足であり、予測できない事態が起こると看護師一人ひとりの負担が増加します。結果として超過勤務が常態化し、体力的にも限界を感じることが多くなります。慢性的な疲労が蓄積すると、健康に悪影響を与え、仕事のパフォーマンスも低下し、上述のように人間関係の悪化にも繋がりやすくなってしまいます。
通勤が大変で…
看護師に限った話ではありませんが、通勤に長時間を要する場合、仕事を始める前から疲れてしまい、勤務中のパフォーマンスにも影響が出ます。特に遠距離通勤や交通の便が悪い地域で働く場合、毎日の通勤が大きな負担となります。逆に通勤がスムーズな病院は、患者さんも通いやすいため人気が高く、業務量が増加しやすい傾向に。就職・転職前にそこまで見極めるのは難しいところですが、通勤のしやすさと業務量と、うまくバランスが取れると理想ですね。
休暇の取りづらさ
医療業界は常に人手不足であるため、職場に配慮して休みが取れないのが悩みという人も多いのでは?特に病院では診療報酬による財源が限られているため、経営に余裕がないことが多く、人件費を削減した結果、人員不足になっているところも。全日本病院協会の2023年度病院経営定期調査では、コロナ禍での補助金を除いた医業利益が赤字という病院は、なんと全体の70%を超えたとのこと。こういった状況から休暇を取る余裕がなく、看護師一人ひとりの負担が増大し、大変な職場状況となってしまうことに繋がっています。
無視できない夜勤による負担
夜勤は看護師にとって大きな負担であり、生活リズムを崩しやすい悩みの一つ。夜勤時には看護体制の基準が緩和されるため、一人ひとりの業務量が増え、責任も重くなりがち。休憩時間は設けられているものの、院内の状況次第では十分な休憩が取れないこともしばしば。夜勤は生理的にも辛く、長時間の勤務が続くと健康に悪影響を与えることも多いのですが、夜勤手当が看護師の年収に大きく影響するため、大変ではありますがバランスを取ることが重要ですね。
こんな状態になったら大変!?悩みを抱える看護師に見られる兆候
看護師が悩みを抱えていると、疲労、ストレス、睡眠不足などが心身に悪影響を及ぼすことがあります。仕事に限界を感じている看護師によく見られる兆候をいくつか紹介します。
心身の疲労が取れない
「寝起きなのになんだか疲れてる…」そんなことを感じたら、それは体が危険信号を発している証拠です。疲れが取れないことで、仕事のパフォーマンスが低下し、さらにストレスを感じるなど悪循環になりがち。責任感が強く、真面目に取り組む看護師ほど、このような疲労を感じやすいかもしれません。
慢性的な睡眠不足
職場の張り詰めた空気や人間関係、あるいは厳しい指導など、日中に緊張状態が続くと、夜になってもリラックスできず、眠りにつきにくくなります。また、寝る直前まで、脳が興奮状態にあると睡眠の質が低下します。たまに眠れないくらいであれば問題ありませんが、長期間続く不眠は、病気を引き起こす可能性がありますので注意しましょう。
体調不良や食欲不振
慢性的な頭痛や腰痛、食欲不振などは見逃してはいけないサインです。これらの症状は、強いストレスが原因であることが多いです。また、看護師ではないものの、筆者は強いストレス&多忙が続いて耳鳴りが止まらなくなったことも。看護師としての仕事が続けられないほどの体調不良に陥る前に、早めの対応が必要です。
看護師の悩み解消法とは?転職も選択肢に
看護師としての悩みを解消するため、今の職場を辞めるのは最終手段として、まず現職でできることから始めましょう。状況に応じて、適切な対処法を見つけてリフレッシュすることが大切です。
同僚や先輩など、誰かに相談してみよう
同じ職場で働いている同僚や先輩に相談することで、悩みの解決に繋がることがあります。特に、経験年数の長い人に相談してみると、何かしらの秘訣を教えてもらえるかもしれません。年数が長い人ほど、同じように悩み、乗り越えた経験が蓄積されています。また、解決にはならずとも、愚痴を聞いてガス抜きをしてくれる友人も大切です。
いずれにせよ、職場での悩みを一人で抱え込まず、適度にサポートを求めることが、ストレスの軽減に繋がります。
異動を申し出る
今働いている科特有の業務が、あなたの悩みの原因かもしれません。例えば、急性期の病棟から療養病棟に異動することで、業務内容が大きく変わり、自分に合った環境となる可能性も。異動を通じて新たな視点を得たり、自分の弱みや強みを再認識したりすることもできます。異動が可能な職場であれば、ぜひ考えてみてほしい一手です。
思い切って転職
どうしても現職での勤務継続が難しい場合、転職を考えることも一つの手段です。大変な労働環境や人間関係に「もう無理」と感じているなら、転職することで悩みを解消できるかもしれません。転職先の職場環境やサポート体制を事前にしっかり調査し、自分に合った環境を見つけることが重要。転職活動を通じて、より良い職場環境を見つけることで、ストレスや疲労の軽減が期待できます。
まとめ
看護師としての悩みや大変さは、誰もが経験するものです。しかし、同僚や先輩、友人に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。また、異動や転職を検討することで、新たな環境での働き方を見つけることも可能です。大変なことも多い職業ですが、その分やりがいや達成感を感じることができるのが看護師の魅力です。自分の悩みと向き合い、適切な対策を講じることで、より充実した看護師生活を送ることができるでしょう。あなたもその一歩を踏み出してみませんか?
参考:
厚生労働省:看護職員就業状況等実態調査結果
公益社団法人 日本看護協会:看護職のためのメンタルヘルス相談窓口
公益社団法人 全日本病院協会:2023年度病院経営定期調査