男性看護師の真実とは?給料、割合、将来、キャリアのすべて

男性看護師が直面する現実とは、一体どのようなものでしょうか?本記事では、男性看護師の割合や給料、そして彼らが直面する職場環境の実態を深堀りします。また、男性が看護師として活躍するためのキャリアプランと、職場での挑戦やその機会についても調べていきます。女性が多いこの業界で、男性看護師がどのようにして自らの道を切り拓いているのか、その現実と将来性を詳しく解説します。

医療現場における男性看護師の数はまだ少ないですが、その存在感は確実に増しています。厚生労働省の『令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況』によれば、男性看護師の数は112,164人と全体の9.1%を占めていますが、これは女性看護師と比較してまだまだといった数字です。

実は増えている男性看護師

男性看護師の割合は確かに少数派ですが、その数は年々増加しています。2010年には53,748人だった男性看護師は、2020年には104,365人に増え、約2倍の増加となりました。さらに、男性保健師の数も同期間で約3倍に増加しており、これからの医療現場では男性看護師の役割がさらに重要になることが予想されます。

病院だけじゃない、男性看護師が活躍する現場

看護師が活躍できる職場は、なにも病院だけとは限りません。近年では、障がい福祉の現場で看護師、特に男性看護師の存在感、重要性が増しています。障がい福祉事業所の数も年々増加しており、それに伴って看護師の求人も増えております。なぜ、障がい福祉の現場で男性看護師が重宝されるのかは後述しますが、もしご興味がありましたらお気軽にオールケア・グループへお問い合わせくださいませ。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の給料は年齢が上がるにつれて増加する傾向にあり、中高年齢層では男女差が大きくなります。具体的には、20代の男性看護師は月収約27.8万円からスタートし、40代になると月収約38.5万円、年収では約572.7万円に達します。これに対して女性看護師は、20代で月収約29.7万円、40代で月収約35.7万円、年収約522.1万円です。

一般的に、男性看護師は30代以降、特に家庭を持ちキャリアを積むことで収入が増加しますが、女性は家庭の事情により離職や時短勤務に移行することが多いため、その影響が収入に反映されています。反面、50代以降は男女ともに給料が下がる傾向にあり、女性看護師よりも男性看護師のほうが減少幅が大きくなっています。ただし、現状で50代以上の男性看護師は人数が多くないので、まだ働き方のロールモデルが確立されておらず、今後も同じ傾向が続くわけではないかもしれません。

男性看護師として働くことには、多くのメリットがあります。以下では、これらのメリットを具体的に解説します。

安定した雇用環境

看護師は国家資格であるため、常に高い需要があります。医療業界、福祉業界共に人手不足が続いており、また、上記の理由から男性看護師の需要も増加しています。超高齢社会を迎える日本では、これからも医療サービスの需要は高まる一方ですので、男性看護師としての雇用は非常に安定していると言えます。転職先も豊富にあり、多様な働き方を選択することが可能です。

資格とスキルで収入アップ可能

看護師はスキルアップや資格取得によって収入を向上させることが可能です。認定看護師や専門看護師、保健師など、さまざまな資格を取得することにより、専門性を高め、それに応じた資格手当を受け取りましょう。また、高齢者看護や介護分野では将来的にさらに高まる需要に応えるためにも、ケアマネジャーや介護福祉士の資格取得もおすすめです。

どんな現場でも男性の看護師が求められている

「看護婦」から「看護師」へとその呼び名が変わったように、時代は同性介護・同性看護の方向に動いています。女性の患者さんには女性の看護師、男性の患者さんには男性の看護師といった具合に、患者さんと同性の看護師が求められています。しかしながら、冒頭に記したように男性看護師は全体の10%未満、”超”がつくほどの男性看護師不足の状況のため、どの現場でも、男性看護師が重宝されています。

看護や介護の現場では意外と体力を要する作業が多く、男性看護師はその体力を活かして患者さんの移動介助や体位変更などの支援を行う場面で大いに活躍します。また、男性の患者さんと「男性ならでは」の話題でコミュニケーションを取りやすいという一面もあり、女子トークならぬ男子トークで、男性の患者さんからの相談を受けやすくなるというのは、大きなアドバンテージです。また、重度の障がいを持つ患者さんのケアなどでは、男性看護師の力強いサポートが現場を支えている点も見逃せません。

男性看護師が活躍する現場①:精神科

精神科では、時には患者さんの急性症状、暴力や暴言に対処する必要があり、特に精神科救急や急性期病棟で体力的に男性看護師が頼られる場面があります。男性看護師は、夜間など人員が少ない時でもその体力が重宝されることも多いでしょう。また、性別によって病棟が分けられることも多く、それが働きやすさの一員ということもあります。

男性看護師が活躍する現場②:整形外科・脳神経外科

整形外科や脳神経外科では、手術における重い機械の操作や患者さんの体位交換、移動介助が頻繁に行われます。「大工仕事」に例えられるような仕事も多く、男性看護師の体力が活かされる場面が多々あります。また、これらの分野に対して技術的な興味を持つ男性も多いことでしょう。

男性看護師が活躍する現場③:手術室やICU

手術室やICUでは、長時間にわたる手術のサポートや、集中治療における厳しい体力的、精神的な頑丈さが求められます。男性看護師は、これらの高い要求に対応できる体力と精神性を持っていると期待される場面も多く見られます。さらには『集中ケア認定看護師』、『手術看護認定看護師』など専門的な資格の取得が可能であり、スキルアップを目指す方が活躍しています。

男性看護師が活躍する現場④:在宅看護・訪問看護

在宅看護や訪問看護などの分野では、患者さんやそのご家族から「男性看護師にお願いしたい」という要望が寄せられることもあります。このようなニーズに応えるため、各事業所は男性看護師に在籍してもらうことで差別化を図り、多様な患者層に対応することが可能となります。

男性看護師が活躍する現場⑤:障がい福祉事業所

障がい福祉事業所では、移動介助や体位交換が必要とされる場面が多く、男性看護師の体力が大いに役立ちます。また、重症心身障がい児・者の利用する施設においては、医療行為・医療的ケアの必要性から看護師の存在は不可欠です。

また、現在の介護現場は、女性スタッフ(母親的要素)を主力として成立しています。そこへ男性看護師・スタッフ(父親的要素)が加わることで、心身両面からバランスの良いケアが可能となります。守口市を中心に、障がい福祉事業所を運営するオールケア・グループでは、看護師を募集しており、皆さんのエントリーをお待ちしています。

男性看護師が直面する悩みは多岐にわたりますが、ここでは特に語られることの多い3つの悩みを紹介します。

患者さんが女性看護師を希望する

医療現場において、患者さんがケアの担当者として女性看護師を希望することは珍しくありません。看護では患者さんの身体に触れる場面も多いため、男性看護師がこの問題に直面した場合、患者さんの感情を尊重し、適切なコミュニケーションで患者さんの気持ちを理解し、対応することが大切です。また、病院や施設内で、患者さんに安心感を与えるための研修などがあれば積極的に参加しましょう。

職場に女性が多く人間関係が難しい

看護師の職場では女性が多いため、男性看護師が少数派となり、コミュニケーションのギャップや誤解が生じやすくなることもしばしば。この問題に対処するためには、職場内でのコミュニケーションや会話を増やし、普段から話をしやすい環境を作ることも大切ですが、特定のグループや派閥とばかり仲良くすることは逆効果となることが多く、注意が必要です。

将来像が描きにくい

男性看護師は近年増えてきた職種であるため「この先輩のようになりたい!」と思えるロールモデルが少ないため、キャリアプランの構築が難しい場合があります。これを解決するため、管理職を目指すためのリーダーシップトレーニングや専門性を深めるための研修、資格の取得、そして外部のセミナーに参加することで、異なる視点を学び、自身の視野を広げることも効果的です。

看護師としてのキャリアアップには、多くの選択肢があります。特に男性看護師としての道は、近年ますます広がりを見せています。ここでは、男性看護師としてさらなる専門性を高めるための資格取得と、新たな職場への異動や転職によるキャリアアップ戦略を解説します。

資格の取得でキャリアアップ

看護師として更なる専門性を追求するためには、医療環境管理士や呼吸療法認定士など、特定の分野に特化した資格の取得がおすすめです。さらには上級資格とされる認定看護師や専門看護師などの資格を取得することで、自身の専門知識を深め、より高い水準の看護実践とお給料の向上が見込めます。

活躍できる診療科や職場への異動、転職活動

キャリアアップを図るうえで、自分が活躍できる診療科への移動や転職も有効な戦略です。特に男性看護師が活躍しやすいとされる手術室やICU、救急部門などでは、物理的な力が必要とされる場面が多いため、男性の強みを活かせる可能性が高まります。

また、障がい福祉事業所など特定の分野での需要も高まっており、これらの場で専門性を活かしつつ、より良い労働条件を求めることも可能です。転職を考慮する際は、将来のキャリアパスや働き方、職場環境を総合的に評価し、自分に合った選択を行うことが重要です。

この記事をご覧になっているあなたも、まずはお気軽にオールケア・グループの職場見学などはいかがでしょうか?

男性看護師の割合はまだ女性に比べて少ないものの、その数は確実に増加しており、特に力仕事が求められる現場での重要性が高まっています。平均年収も女性看護師に比べてやや高めで、他の業種と比較しても高い水準にあります。このような背景から、男性看護師は女性看護師が苦手とする領域で貴重な役割を担い、職場内でのバランスを保つことにも寄与しています。

超高齢社会を迎える日本では、医療や介護の需要がさらに拡大することが予測されます。このことからも、男性看護師の需要は増え続け、重宝されることでしょう。

さらに、今の職場環境がキャリアアップに適していないと感じる場合、転職も一つの選択肢となります。より良い条件、または男性看護師である自身が活躍しやすい環境を求めて職場を変え、充実した日々を手に入れましょう。また、資格取得やスキルアップを通じてキャリアアップを目指し、給料の向上を狙うのもよい戦略でしょう。

年々その数を増やしている障がい福祉事業所、その中でも特に、重症心身障がい児・者を受け入れている施設では、体力面や医療行為・医療的ケアの必要性から男性看護師の存在が非常に重要となっています。あなたもぜひ、オールケア・グループで一緒に働きませんか?

参考リンク

厚労省:令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

厚労省:令和4年賃金構造基本統計調査

厚労省:医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会

日看協:看護統計資料 就業者数