『重症心身障害看護師』とは?施設での勤務や求人についても解説!

『重症心身障害看護師』とは、重度の心身の障がいがある方々に対する高度な看護スキルを持つプロフェッショナルです。この記事では、重症心身障害看護師がどのような役割を果たしているのか、資格認定のためにはどうしたらよいのか、その働く現場はどのようなものかなど、詳しく解説します。重症心身障害看護師の資格取得を考える方のお役に立てれば幸いです。

※本記事では『重症心身障害看護師』など、固有名詞のみ漢字の”障害”表記としています。

重症心身障がいとは、重度の肢体不自由と重度の知的障がいが重複した状態を指し、この状態にある子どもを重症心身障がい児と呼びます。さらに、成人した重症心身障がい児も含めて重症心身障がい児(者)と呼ばれています。この定義は医学的な診断名ではなく、児童福祉における行政上の措置を行うための呼び方です。

日本において、重症心身障がい児(者)はおよそ43,000人いると推定されています。これらの方々は、日常生活のあらゆる場面で継続的な支援や医療的ケアを必要とし、多くの場合、専門的な医療や療育のサポートが欠かせません。

重症心身障がい児(者)の看護を専門的に学びたい看護師向けに、日本重症心身障害福祉協会が『重症心身障害看護師』認定資格を設けています。この資格を取得することで、看護師は重症心身障がい児(者)のケアにおけるエキスパートとして活躍できるようになります。資格取得後は、後輩の指導や育成に携わりながら、重症心身障がい児やその家族の生活の質向上に貢献することが期待されています。また、この資格は日本重症心身障害福祉協会が認定しており、日本看護協会の認定ではないことを覚えておきましょう。

重症心身障がい児看護の未来を築く

重症心身障害看護師の資格は平成24年度に創設され、重症心身障がい児(者)の看護に関する専門的な知識と技術を提供することを目指しています。この資格を持つ看護師は、看護のほか、施設内のスタッフや特別支援学校の教員に対して医療的ケアの研修を行い、重症心身障がい児(者)看護の発展に寄与します。認定資格を取得するための教育機関は全国に7か所あり、取得を目指す際にはお住まいの地域にある教育機関で詳細を確認しましょう。現在、全国で330名以上の認定看護師が活躍しています。

重症心身障害看護師になるための受験資格と流れ

重症心身障害看護師の資格認定のためには、まず5年以上の看護師実務経験と3年以上の重症心身障がい児看護の経験が必要です。次に、認定教育機関で研修を受けるための手続きを行い、受講資格審査に合格する必要があります。研修は3年以内に12単位を取得する形で進められ、共有科目・専門基礎科目・専門科目の教育が提供されます。

重症心身障がい児看護の経験を積めるのは、オールケア・グループ!

修了後は、個人研究や課題レポートなど、認定申請に必要なポイントを取得し、認定更新手続きを経て正式に重症心身障害看護師として認定されることになります。研修の終了だけでは認定まで至りませんので注意しましょう。

重症心身障がい児(者)施設とはどんなところ?

重症心身障害看護師が活躍する重症心身障がい施設は、重度の心身の障がいのある方々を対象に、療育や介護を提供する場所です。利用者の年齢や発達段階に応じた支援を行い、長期入所や短期入所を通じて利用者とその家族のニーズに応えています。

全国の重症心身障がい児(者)施設での看護師の仕事と役割

重症心身障がい施設には医療依存度の高い方々、例えば寝たきりや独歩が困難な方も多いため、喀痰吸引や経管栄養をはじめとした医行為・医療的ケアのできる看護師の存在は重要です。施設には看護師をはじめ、介護職員、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など多職種が在籍しており、各職種が専門性を発揮しながら、利用者の健康と生活の質を向上させるために協力しています。

利用者本人とその家族のメンタルケアも重要な役割の一つです。利用者の身体状態や気持ちを把握し、細やかな配慮とコミュニケーションを通じて支援を行うことが大切です。

重症心身障がい児(者)施設で働く看護師の魅力

病院であれ、重症心身障がい施設であれ、患者や利用者との信頼関係構築は重要な仕事。重症心身障がい施設には、感情や思いを言葉にすることが難しい利用者の方も多く、細かな配慮が求められます。表情や動作のわずかな変化、独自のサインを読み取り、利用者のニーズに応じた看護を提供することが重要です。このような環境での看護は簡単ではありませんが、比較的長い期間をかけて信頼関係を構築していくことができるのも、重症心身障がい施設で働く看護師の魅力と言えます。自身の看護によって利用者が笑顔になったり、表情が明るくなったりと、大きなやりがいと達成感を得ることが重症心身障がい施設では可能です。

未経験者も安心して始められる重症心身障がい児(者)施設の仕事

重症心身障がい児(者)施設の数は全国的にもまだまだ少なく、転職先として選択肢が限られますが、多くの施設が未経験者向けの手厚いフォロー体制を整えています。未経験でも安心して始められるような環境が整っており、多くの看護師が未経験からスタートしています。看護師は医師や介護職員、児童指導員、保育士、リハビリスタッフなどと連携して業務を行うため、一般的に病院では得られない経験や、広い視野を持って業務にあたることができるのも大きな魅力です。

近年増加する重症心身障がい支援のニーズに対して、全国的にまだまだ施設数が不足しているため、看護師による重症心身障がい施設の勤務は社会的な意義も高く、やりがいのある仕事であり、求人も増えています。

求人情報の探し方

重症心身障がい児施設の求人は一般の病院に比べて少ないため、どうやって求人を探せばいいか悩む看護師も多いでしょう。転職サイトの利用も良いですが、地元で働きたい方は地域のハローワークを利用する方法が意外と効果的です。インターネットでもハローワークの求人検索が可能ですから、試してみてください。

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キャリアアップへのステップ

重症心身障がい施設で働きながらスキルアップ、キャリアアップを目指すことは十分可能です。記事冒頭の『重症心身障害看護師』認定資格もそのひとつですね。

転職を考える場合、転職先の施設がキャリアアップ制度を設けているかどうかも、判断のポイントとなります。制度として整っていない場合、スキルアップしても給料やポジションへの反映がない場合もありますから注意です。

オールケア・グループでは、様々なキャリアアップ制度を整えて、あなたのエントリーをお待ちしております。

オールケア・グループリクルートサイト:キャリアアップ制度より

新しい職場でのスキル向上

重症心身障がい看護師への転職は、専門的なスキルを大幅に向上させる絶好の機会です。重症心身障がい児(者)のケアでは、医療知識や技術に加え、日常生活の支援や医療的ケア、リハビリテーションなど、幅広い分野でのスキルが身につきます。また、他職種との連携が重要なため、コミュニケーション能力やチームワークも磨かれます。これらのスキルは、将来のキャリアにおいても大いに役立つでしょう。

働きやすい職場環境の魅力

重症心身障がい児施設では、時間に余裕を持って業務を進めることができ、残業も少ないため、ワークライフバランスを重視した働き方が可能。特に、急な業務追加が少ないため、定時で帰宅できる日が多く、家庭との両立がしやすい環境です。一方で、稼ぎたい人にとってはショートステイ施設など夜間を通じた業務もあるので、積極的にチャレンジしていきましょう。職場全体でのサポート体制も充実しているため、未経験者でも安心して業務に取り組むことができます。

重症心身障がい施設に勤務する看護師は、重度の心身障がいのある方々に対して専門的なケアを提供する重要な役割を担っています。働く現場は、医療的ケアや日常生活の支援が必要な重症心身障がい児(者)施設であり、他職種との連携が求められる環境です。これらの要素が、重症心身障がい看護師としてのキャリアを充実させ、長期的なキャリア形成に大きなメリットをもたらします。重症心身障がい施設への転職を通じて、やりがいのある新しいステージでのキャリアを切り開いてみませんか?

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参考

厚生労働省:障害児入所施設の課題に対する意見

東京都福祉局:重症心身障がい看護の魅力

PR TIMES:株式会社オールケア守口

(公社)日本重症心身障がい福祉協会:協会認定重症心身障がい看護師(プロセス)

守口市:令和4年度地域生活支援拠点等施設整備事業に係る公募型プロポーザル

守口市:令和4年度地域生活支援拠点等施設整備事業に係る公募型プロポーザル選定結果